藤原奈央子様|震災から15年に寄せたメッセージ

藤原 奈央子 様 スターリィマン紙芝居プロジェクト 発起人

「スターリィマン紙芝居プロジェクト」について

震災が起きた時、私はちょうど出張先へ向かう飛行機の中でした。定刻を大きく過ぎて着陸し、空港のロビーで流れていたニュースに「津波警報!」と赤い文字が映し出されているのを見て、どうか何かの間違いであってほしいと強く願いました。

情報も錯綜していて、自分に何かできないか、何ができるのかと考え続けましたが、何もできない自分が、ただただもどかしかったことを覚えています。

震災から数日後、心が落ち着かないまま「自分に何ができるのか」と模索していた時に、はせがわファミリーの皆さんに初めてお会いしました。紙芝居のお話をした際、「やりましょう!」と力強く手を握ってくださった、その温もりは今でも忘れられません。

そこから多くの方が協力してくださり、形になった時の感動はもちろんですが、実際に子どもたちの前で読み聞かせをされているはせがわファミリーの皆さんの姿に立ち会った時も、言葉にならない思いが込み上げました。

普段は無口な青年会のメンバーが「自分たちにも何かできることはないか」と、市内の小学校への寄付を申し出てくれたことも心に残っています。本当にたくさんの方がこのプロジェクトを広め、支えてくださいました。感謝の思いしかありません。

震災を通して

「明日が無事に来るとは限らない」。
阪神淡路大震災を経て、そう実感してから、思いついたことはできるだけ早く行動に移し、やりたいことは先延ばしにせず、会いたい人には連絡しようという思いが強くなりました。また、東日本大震災では「津波」という災害の甚大さを目の当たりにし、被災経験があることでどこか油断していた自分を反省しました。どのような事態にも備える気持ちを、改めて持つようになりました。

災害は多くのものを奪います。もちろん、起きないに越したことはありません。それでも大切なのは、「起きた時にどう行動するか」だと思っています。「大変だった」「辛かった」という記憶を語るだけでなく、その経験をこれからの防災や減災につなげていくこと。「一緒に考えよう」と声をかけ合い、備える力を地域の中で育てていくこと。それを、残りの人生のライフワークの一つとして、周りの方々と共に続けていきたいと考えています。

スターリィマンから受け取った風船、私が届けたい風船

スターリィマンから受け取った風船は「希望」です。本当は「すべての風船です」とお答えしたいところですが、あえて一つ選ぶなら「希望」です。

自身が被災した震災で、同級生や近所の方々がたくさん亡くなりました。「どうして私が生き残ったのだろう」と、長い間、自問自答を続けてきました。けれど大人になり、被災地で同じ思いを抱えている方々に出会いました。その中で、「これから先、自分にできることで、誰かが『生きていてよかった』と思える瞬間を少しでもつくれたら」という思いが芽生えました。

スターリィマンとの出会いは、そんな私に「生きていく希望」を与えてくれました。それが、私にとって一番大きな風船です。

これからは、周りのすべての方々に、「愛」と「幸せ」の風船を届けていきたいと思っています。

おかげさまで、これまで私は本当にたくさんの愛をいただいてきました。そのいただいてきた愛を、今度は自分が周りの方々へお返ししていきたいと思っています。そして、その風船を受け取ってくださった方が、今日という一日を少しでも幸せな気持ちで過ごしてくださったら──そんな願いを込めています。

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